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2021年9月、サントリーホールディングス新浪社長の発言が話題になりました。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は9日、経済同友会の夏季セミナーにオンラインで出席し、ウィズコロナの時代に必要な経済社会変革について「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」と述べた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090901120&g=eco
これに対し、SNSでは批判・不満のコメントが殺到。
焦ったのは新浪氏。
あわてて釈明する事態となりました。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は10日の記者会見で、「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」と前日に述べた発言の真意について、「首切りをするということでは全くない」と釈明した。新浪氏は「45歳は(人生の)節目」とした上で、「スタートアップ(への転職)とか、社会がいろいろな選択肢を提供できる仕組みが必要だ。場合によっては出戻りがあってもいい」と説明した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091001215&g=eco
「45歳定年」と聞くと、かなりギョッとしますよね。
今の定年年齢は60または65歳、15-20年も違うわけですから。
実際、SNSであふれた批判・不満のコメントがこちら。
45歳といえば住宅・子供で一番お金がかかるとき!
そこで辞めろなんて、たまったもんじゃない!
給料高い50代・60代の人材を経営者が切り捨てたいだけ。
ひどくない?
45歳定年の企業に、誰が入社する?
新浪氏は62歳wおまいうwww
まずは自身で実践したら?
は?
サントリーでまず試せよ
などなど。
見事に炎上した45歳定年案。
内容の是非はともかく、これはいい機会になります。
そもその定年制度について、知っていますか?
「定年なんて、まだまだ先」
の20代~30代の人にとっては、知らないことが多くありませんか?
そこで今回、定年制度の現状と将来についてまとめてみました。
この記事を最後まで読めば、定年制度のポイントは全部抑えられますよ。
記事の最後に、大事なポイントを1つ紹介します。
転職考えたことない!転職したことない!って人が「今後ちょっとヤバいかも」
という話です。
新浪氏の発言にもあるように、
日本の会社組織は大きな転換点を迎えようとしています。
普通で凡人で悩める会社員が備えるべき、心がけるべきこと。
遠い未来ですが、今から準備をしないと、間に合わないかもしれません。
この記事を読んで、将来に向けた心構えを。
そもそも定年制度とは?
通称「高年齢者雇用安定法」で定められている法律です。
1971年から改正が重ねられ、現在にいたっています。
この法律のねらいは
希望した全員が定年年齢まで働けるよう、
事業主に雇用の維持と確保を課す
ために定められているのです。
義務なの?
はい、義務です。
日本に拠点を持つ、すべて企業が対象です。
企業は60歳、あるいは65歳まで、希望者全員を継続雇用することが義務付けられます。
日本にある外資系企業も義務?
はい、外資系企業も定年制度の義務を負います。
普通に定年制度があるはずです。
しかし、定年まで続ける人がレアなため、存在を認識できないのが実態です。
企業が法律に反したら?
違反企業には、労働局やハローワークからの指導が入ります。
指導後も改善されない場合、企業名の公表というペナルティが課されます。
法律違反企業として企業名が公表されれば、遵法意識の低い会社として評価されます。
企業にとって不利益なため、まともな会社ならこのようなリスクは犯しません。
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定年制の現状は?
高年齢者雇用安定法は2012年、2020年に大きく改定されました。
ポイントは以下。
一番抑えておきたいポイントは「継続雇用制度」でしょう。
なにせ1と3の措置をとる企業はごくわずか。
2の継続雇用制度導入企業の割合は97%と多数を占めています。
なんにせよ、「定年までクビはない!余裕♪」
とか思っていませんか?
それ危ないですよ。
この「継続雇用制度」、知っておくべき点があるんです。
継続雇用制度って?
継続雇用制度は2種類あります。
再雇用制度
- 会社の定めた年齢で雇用契約を見直し、65歳まで再締結する
勤務延長制度
- 雇用契約そのままに、65歳まで延長する
そして95.3%の企業が「再雇用制度」を導入。
大人気ですね、それにはワケがあるんです。
再雇用制度って会社ガン有利じゃない?
気づいた人はご明察。
65歳まで雇用義務があるといっても、今と同じ労働条件じゃない可能性があるんです。
会社が定年を55歳と定める
55歳で「子会社・関係会社勤務+給与ダウン」での再雇用
65歳で雇用契約終了
これで企業は法律を守っていることになるんです。
一応、65歳まで雇用維持に努めてはいるワケで。
でも遠く離れた子会社での再雇用を提案されたら…
キツいですよね、実際。
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そんなの認められていいワケない!厚生労働省の見解は?
厚生労働省の見解を示すQ&Aがこちら。
読み飛ばしてもOKですが、なかなか辛い。
Q1-6: 例えば55歳の時点で、
[1]従前と同等の労働条件で60歳定年で退職
[2]55歳以降の雇用形態を、65歳を上限とする1年更新の有期労働契約に変更し、55歳以降の労働条件を変更した上で、最大65歳まで働き続ける
のいずれかを労働者本人の自由意思により選択するという制度を導入した場合、継続雇用制度を導入したということでよいのでしょうか。
A1-6: 高年齢者が希望すれば、65歳まで安定した雇用が確保される仕組みであれば、継続雇用制度を導入していると解釈されるので差し支えありません。
出典:厚生労働省 高齢者雇用安定法Q&A
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/qa/index.html
パートや嘱託(契約社員に近い)での再雇用を認める回答がこちら。
Q1-4: 継続雇用制度について、定年退職者を継続雇用するにあたり、いわゆる嘱託やパートなど、従来の労働条件を変更する形で雇用することは可能ですか。
その場合、1年ごとに雇用契約を更新する形態でもいいのでしょうか。
A1-4: 継続雇用後の労働条件については、高年齢者の安定した雇用を確保するという高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金などの雇用に関するルールの範囲内で、フルタイム、パートタイムなどの労働時間、賃金、待遇などに関して、事業主と労働者の間で決めることができます。
出典:厚生労働省 高齢者雇用安定法Q&A
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/qa/index.html
事業主と労働者の間で合意すればなんでもOK、ということですね。
大半のケースで、事業主が給与ダウンを提示してくるでしょう。
いくら給与は下がるの?
最近、「定年前の6割を下回る減額は不合理」との高裁判決が出て話題になりました。
判決によると、訴えを起こしたのは名古屋市に住む男性2人。
それぞれ2013~14年に定年を迎えた後に再雇用を希望し、65歳まで嘱託職員として技能講習や高齢者教習を担当した。
仕事の内容や責任の範囲は定年前と変わらない一方、基本給は定年前の月額16万~18万円から7万~8万円ほどに下がった。
井上泰人裁判長は「年功的性格があることから将来の増額に備えて金額が抑制される若い正社員の基本給すら下回っており、生活保障の観点からも看過しがたい水準に達している」と述べた。
再雇用の際に賃金に関する労使の合意がなかった点も挙げ、定年直前の基本給の6割を下回るのは不合理な待遇格差に当たると結論づけた。
日本経済新聞2020/10/28「再雇用の基本給、6割下回るのは「不合理」 名古屋地裁」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65548720Y0A021C2CC1000/
この判例からすると「2~3割減は問題なし」とも捉えられます。
現状、給与を含む再雇用の契約内容については、明確なルールが無いのです
65歳までクビはない!余裕♪
とのんきに過ごしていられない理由の1つが、コレ。
65歳までクビにはならないけど
55歳で再雇用、雇用契約見直し
会社から
「給与3割ダウン」「僻地子会社」「契約社員」
としての再雇用を打診されたら…
定年制度、そう甘くはできていません。
これを知っていれば、将来に対する備えや対策が打てます。
知らないでのんきにしていると…キツいです。
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定年制、これからどうなる?
今でも辛い定年制度、これからどうなっていくのでしょうか。
70歳までの雇用維持が「努力」義務化
実は2021年4月に改正されました。
ポイントは70歳までの就業確保「努力義務化」。
「努力義務」なので、罰則はなくあくまで努力促すものとなっています。
しかし将来、移行期間を経て「義務化」される可能性があります。
新しい制度は非現実的
④⑤はこれまでになかった制度になります。
しかし、どちらも現実的ではありません。
④は定年を迎えた人と、いわゆるフリーランス契約を結ぶもの。
フリーランスの報酬は成果ベースが基本。
現実、60代でギチギチの成果ベースで仕事できますか?
できる人は相当限られるんじゃないでしょうか
会社側も「おじいちゃん」に重要なタスクを一任するリスクは負わないでしょう
⑤は有償ボランティア的な位置づけ。
恐らく会社の利益に直結しない、貢献しない事業になる可能性が高いです。
普通に考えて、会社が儲からないこの制度を導入する理由がありません
労働側からすれば、のんびり働けそうですが。
企業が導入してくれなければ、選びようがありません。
再雇用制度はこれからも主流の可能性大
70歳定年が義務化されたら?
おそらく事業主は「再雇用制度」を70歳まで延長する方策をとるでしょう。
すでに95%の事業主が採用しています。
これまで見てきたように、会社にとって最も都合の良い制度です。
我々はこれから、この「再雇用制度」を見据えてキャリアを考えていく必要があります。
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20代~30代ですべきことは何か
おそらく、今後も甘くはならない定年制度。
制度を把握したところで、20代~30代の会社員は何に備え、何をすべきなのでしょうか。
「どんな条件で再雇用されているのか」のリサーチを
まずトライすべきは、今の会社の定年制度の確認でしょう。
特に定年を迎え、「再雇用」されている人からの情報収集です。
最も得たい情報は
定年前後で「何割くらい増減したのか」
だけでもわかると、キャリア設計・人生設計が捗ります。
たいてい、会社規約に明記はされていないでしょう。
ここは自分の足で仕入れる必要がありますね。
現企業に居続けるか、転職するかの決断
定年はまだ先の話でも、40歳までに決断すべきことがあります。
今の会社で定年まで働きつづけるか
今の会社を離れ、転職して別の会社に向かうのか
この決断は、
できれは30歳前半に
遅くとも40歳になる前に
済ませましょう。
40代~50代で初めての転職だと、企業側からの見られ方がかなり違うからです。
転職は「35歳まで」説がささやかれ続けてきました。
しかし少子高齢化もあり、転職年齢も高くなりつつあるのが現在の傾向です。
それでも、転職は30代が一つの区切りの年齢と言えるでしょう。
参考に、厚生労働省が調査した、年齢別転職率を見てみましょう。
青線が男性で転職をした(成功させた)人の比率です。
- 若いほど転職率が高く、年齢を重ねるごとに低下
- 40歳を超えると、5~6%前後の底に張り付く
- 60歳代になると、転職率が13%まで上昇
- 定年を迎え、会社を出ていく人が多くなるため
統計からも、転職は30代がギリギリのラインと考えられるでしょう。
定年まで続けるならポジション確立をしっかりと
もし転職をせず、今の会社で定年まで働く!と決心するなら
今すぐに
- 確固たる自分のポジションを作り上げること
- 会社・組織から「長く働いてほしい」と思わせること
に全力を注ぐべきです
言うまでもないことですが。
しかし、1秒でも早く決断し、1秒でも多く現企業で努力する。
これがあなたの定年後の再雇用を、より有利な内容に導くのですから。
転職するなら早めの決断と行動が有利
「今の会社で、定年までは働けないな」
そう判断するなら、今すぐ転職活動を始めるべきです。
先ほどの厚生労働省のデータでもあるとおり、
「若いほど転職しやすい」はまぎれもない事実なのですから。
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安易な先送り判断は辞めて行動しよう
「転職は気になるけど、ちょっと様子をみよう」
この先送りの判断は「転職あるある」ですね。
しかし、貴重な時間を無為に消費する可能性があります。
若ければ若いほど、貴重な時間です。
忘れないでください。
転職には「見えない期限」があります。
年齢やスキル・経験によって、期限は人それぞれ、バラバラでやっかい。
しかし転職を1ヵ月、1年先送りにするたび、確実にこの「見えない期限」に近づきます。
「もう少し現職を続けて様子をみよう」とするのは簡単。
でもいつか、この期限にブチ当たります。
転職できるか不安でも転職活動はやってみるべき
転職活動はたくさんの重要な気づきを与えてくれます。
実際に他社へいかなくてもOK。
自身の人生やキャリアに向き合うだけで、価値があります。
- スキルやキャリアを記述できない
- 多くの会社で書類落ちする
- 面接で相手の反応がどうも良くない
等がわかると、もう最高です。
だってこれに早く気づければ、今の会社で対策できますよね。
足りないスキルや、キャリアを蓄える行動を起こせるのですから。
不安だけど
迷うけど
転職活動をまずやってみる
これが「できる/できない」で、人生大きく変わりますよ。
何せ「考えるだけで、行動できない人」が世の中の大半。
転職先内定まで行きつかなくても。
行動=転職活動するだけで、「考えてるだけの人」と大きな差がつくんです。
”マジメに働いていればそれなりに稼げる”が危うい時代へ
少し前までは、マジメに働いてさえいればよかったんです。
年齢を重ねるごとに、それなりの昇給
ガツンと大きくは変わらないけれど、そこそこ稼げる
若いうちは安い給料でガッツリ働いて
年取ったら、まあ困らない給料でまったり働く
そういう時代でした。
しかし状況は一変しました。
今、日本の稼ぐ力は衰えを見せています。
その反動か、日本の平均年収はこの30年ほとんど変わっていません。
そしてとどめは、少子高齢化。
高給のシニア層と薄給の若手層のバランスが崩壊しました。
定年制度により、65歳までクビにはならないかもしれません。
しかしのんびり働いていると、その先突きつけられるのは
- 給与3割ダウン
- 僻地子会社
- 嘱託・パート雇用
かもしれないのです。
今いる会社の定年制度について、知る努力をしてみましょう。
その上で考え、行動するべきです。
今の会社に定年まで働く覚悟をするか
今の会社を離れ、転職し新たなフィールドをめざすのか
若いうちに決断し、すぐに行動できれば。
あなたの人生、大きく有利になることでしょう。
転職活動のはじめ方
何からはじめたら?全体がイメージできない!
という方のため、転職活動のはじめから有休消化、次の会社まで。
転職活動の進め方を解説。
>> 転職活動の始め方・進め方|やること・スケジュール感のすべて
転職すると給与は上がる?下がる?相場は?
どうせ転職するなら、年収を上げたいですよね。
でも実際、転職して年収は上がるのか?下がるのか?
過去の転職者の傾向は?等を把握したいところ。
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